採用面接で本質を見極めるには

今回は日本長期在住のアメリカ人が語る、採用面接で「良い」人材を見極めるコツをシェアしたいと思います。単にアメリカ人が日本人を雇うからではなく、一般的に「強い人材」を採用するのに適応出来ると思います。また、自分が採用される側の場合もこれらを認知していると自分がどういう点を強化しなくてはならないかが対照的に見えるかと思います。
「内発的動機付け・問題解決能力・不確実性への耐性」があるか

1.Self-motivated(内発的動機付け)

会社は働きやすい環境や雰囲気を用意する義務はありますが、内発的動機付けは社員各自がするしかありません。

Self-motivatedな人は面倒をみずとも勝手に進んでくれますので、会社にかかるコストが劇的に少ない。フェイスブックCEOのマーク・ザッカーバーグも「一人のself-motivated社員は7人の普通の社員に匹敵する」と話しています。大げさに思えるかもしれませんが私も深く同意します。

Self-motivatedではない人はマネジメント側からいちいち指示が必要だし、褒めたり叱ったり激励したりという無数の間接コストがかかります。これが実にバカになりません。水泳に例えると、Self-motivatedな社員は一人で泳ぎ切りますが、出来ない人に対しては常に下から支えてあげる必要があります。

2.Good at problem-solving(問題解決ができるか)

会社って常に課題と問題が山積み。まず問題を認知し、アクション可能なピースにバラし、解決策を探して計画し、実践して再検討する。そのサイクルを最速で回せる人は強いです。アクション可能な指示に落とし込まれたら作業できる人は多くても、その前段階のプランニングが出来る人は多くありません。

3.Willingness to bear uncertainty(不確実性への耐性)

2008年にリーマンショックが起きて、世界的な大企業でも潰れることがあると世間は知りました。あれ以来、誰もが「不確実性の中で生きなくてはならない」と思い知らされたのではないでしょうか。現代はVolatility(変動性・不安定さ)、Uncertainty(不確実性・不確定さ)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性・不明確さ)のVUCA時代とも呼ばれます。

これは性格的要素が大きいかもしれませんが、「先が見通せないと不安で動けない人」は候補から外します。ジャングルに放り込まれたと想像してください。動かずじっとして助けを待つのもひとつ、猛獣に遭遇するリスクを抱えて歩み出すのもひとつで、何が正解かはやってみるまで分かりません。でも、ハッキリしているのは「ビジネスの世界でじっとしていたら確実に死ぬ」ということです。

「5年先がわかっていないと……」、「経営陣に示してもらえないと道を選べない」というタイプは苦境を乗り越えられる耐性がないでしょう。リスクを楽しめとまでは言わないものの、いちいち恐れているような人では心もとないですね。

知識だけの頭でっかちより実践的な行動派が好まれる

面接では、以上3要素を持つ人材かどうかをチェックしていました。専門知識・業務遂行に必須スキルはあるのが前提ですが、その辺りはいくらでも後から学べるのでさほど心配しなくても大丈夫。知性は遺伝的要素もあるでしょうが、後天的要素の方が大きいです。たとえ世界一の頭脳を持ってても、内発的動機づけができず、問題解決もせず、不確実性を恐れて行動しない人は役に立ちません。だったら多少知識が薄くてもハードワークする人のほうがよほどいいです。この要素は規模に関係なくすべての企業で求められますし、きっと手放したくない人材になれるでしょう。

HRテックが発達した現在

以上の基本要因は必須ですがそれ以外で現代の環境に基づいてチェックしたい点は以下です。

  1. グローバルな環境で働くことに違和感がないか
  2. 文化や価値観、常識が違う者同士で価値を発揮できるか?
  3. 世界で何が起きているか興味関心があるか?
  4. 世の中の変化やニュースにアンテナを立てているか?
  5. 広い視座を持っているか?
まとめ

いかがでしたでしょうか。これはハーバードビジネススクールを卒業して航空業界、ソフトバンクのマーケティング担当役員としてキャリアを積み、日本に移住して企業したアメリカ人起業家社長が語る3つの重要事項です。私としてはアメリカ人が日本人を日本で採用するだけではなく、これからのVUCA(Volatility, Uncertainty, Complexity and Ammibuity)の時代はどこへ就職するにもこれらのスキルが大切になってくると思っています。自身のキャリアアッププランを考えるにも、これらを意識して足りていない箇所を最優先して捕捉していきたいを思います。

みなさまも2022年のキャリアプランをされる際にこれらが足りているかを見直してみてください。

 

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